2010年07月06日

【ニュース】年金二重課税訴訟に判決

 このところスパムメールに見るべき物がないのでスパムとも関係ないニュースでお茶を濁します。
 このところちらちら覗いている、浦安の税理士・おかべしげるさんのブログで知った裁判です。
※以下、引用記事内の強調赤字は末期ぃによる。
 おかべさんの今朝10時前のエントリで『今日最高裁判所で、年金二重課税訴訟について判決が出ます。』とのこと。
ごく簡単に言いますと、死亡した人が保険料を支払い受け取る予定だった
保険会社などの年金については、

死亡時に相続税の課税対象。

遺族がその年金を受け取るときに所得税の課税対象。

同じものに2度課税されるのはおかしいのでは? について争った裁判。


情勢では納税者側の主張が認められる可能性が。

 鉄道ファンの末期ぃは昔から運賃・料金の2重の割引は原則ないというのが頭に染み付いています(あったのは学割と往復割引の適用)。
 個人に対する二重控除や二重支給は悉く排除されるのもいろいろ聞いていましたが、取る方には二重課税が許されるとは不公平な話。
 ふんふんと思っているとお昼過ぎおかべさんの速報
年金二重課税訴訟の判決が出ました。


今回のような、相続税が課税されたあとの年金は、
所得税の課税対象外という判決。納税者勝訴です。

このあとどういった対応が必要になるか、注目ですね。
所得税の還付など、手続が必要なかたが多くいらっしゃるかもしれません。

 続いて共同通信のニュースも見たけれどこの時はその内容だけ。

 その後夕刊に詳細が続々載りました。
7月6日10時37分 時事通信配信 Yahoo!ニュース
保険金年金の二重課税認定=処分取り消し命令―国の逆転敗訴確定・最高裁

 夫の死亡で支払われた生命保険の特約年金に、相続税に加えて所得税を課すのは二重課税に当たるとして、長崎市の無職女性(49)が国に課税取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は6日、二重課税を禁じた所得税法に違反するとして、国が勝訴した二審判決を破棄し、課税処分の取り消しを命じた。国の敗訴が確定した。同種保険の契約は少なくとも数百万件に上るとみられる。二重課税と認定されたことで、大量の返還請求が出る可能性もあり、大きな影響が出そうだ。
 女性は夫が死亡した2002年、死亡時の保険金4000万円に加え、230万円を10年間受け取る年金の初年分を保険会社から受け取った。これに対し税務署は、年金を雑所得とみなして所得税を課税した。
 訴訟では、相続税の課税対象となる年金に、さらに所得税を課すことが二重課税に当たるかが争点となった。国側は、相続税の対象となるのは年金を受給する権利で、毎年現金で受け取る年金とは異なると主張していた。
 判決で第3小法廷は「年金受給権と、運用益を除いた年金の経済的価値は同一で、所得税の課税対象とはならない」との初判断を示した。
 ただし、相続税が課税されるのは受給総額の6割にすぎないとして、運用益に当たる残りの4割については所得税の対象とした。女性のケースは受け取ったのが年金の初年分だけだったため、運用益がなく、全額の課税処分を取り消した。 

 生保の死亡保険金を一般的な一時払いでなく、(この場合一部)年金の形で受け取る契約(年金特約付き生命保険)にして実際受け取ったら相続税だけでなく、年金分を雑所得(←酷い言い方)と看做して所得税取られたとのこと。

 年金相当部分に相続税と所得税を二重に課税する方式は、1968年の国税庁が出した通達により始まり40年以上税務の常識として続いて来た事といいます(本日付東京新聞夕刊紙面による)。
 そこに風穴を開けたのが一主婦と一税理士の素朴な疑問だったといいます。(2010年7月6日16時53分付けアサヒコム記事、2ページあります
>「大事な人を失って受け取る生命保険金は誰でも1円も無駄にしたくない。同じ立場の人たちの役に立てるなら」
 一審は弁護士も立てず行政訴訟に訴え、二審では敗訴したものの最高裁では再逆転しました。
 民事訴訟だから印紙代初め諸々経費がかかって実際返って来るのは2万5600円。年金分の所得があることで、娘さんたちの授業料が免除されなかったなど、他にも逆境があってたどり着いた粘りには頭が下がります。

 心配されるのは、こういった商品のその後。

 国税当局が課税方式の見直しを迫られ、生保会社は該当する商品や契約の精査と通知、もしかすると定期預金の金利に及ぶとの見方もあります。ネット上のニュースを見ても該当するケースは数万だとか数十万だとかよくつかめていないようです。
 当然ながら返還請求が多数起こったり、時効が5年しかないので救済をどうするとか、社会保険庁の年金問題ほどではないが現場では混乱があることでしょう。
 でも今までの慣例がおかしかったのです。
 しっかり正しましょう。

 さてこのニュースで末期ぃが直感的に思った危惧が一つ。
 こういうお金が返ってくるという話に目敏いのが詐欺師
 新聞のおくやみ記事から還付金詐欺を働く輩が現れそう、と思う私はひねくれていますかねえ…?

(2010年7月7日追記)
 当エントリのカテゴリを【出会い系サイト誘導】から【雑記】に訂正しました。

 それにしても国税当局が二重課税をした根拠は何か、ニュースサイトを更に見ていくと日本経済新聞の2010/7/7付の社説・春秋を見つけました。
恣意的な行政をただした二重課税訴訟
(中略)
所得税法9条は「相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの(相続税法の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む)」には所得税をかけないと規定する。

 一時金の形であろうが年金の形であろうが、相続税法で遺産とみなされる保険金には所得税はかけられない、としか読み取れないこの条文をどう解釈して国税当局は所得課税をしてきたのか。

 「『保険金』とは保険金請求権を意味し、年金形式の場合は年金受給権が保険金に当たる。毎年受け取る保険年金は受給権そのものではなく、年ごとに受給権から発生する別種の債権(支分権)であるから、保険金には当たらない」

 一般国民にはサッパリ分からない理屈であり、最高裁判決はこの解釈を「是認できない」と否定した。
(後略)

>『保険金』とは保険金請求権を意味し
 では『保険金請求権』とは保険金請求権請求権を意味するのでは??(以下無限に続く…)
 この難解な理屈をいくら突き詰めても二重課税の根拠になる気がしません。
 年金を受ける権利と年金は別物だから、両方に課税する、と言っても「権利」は実際のお金じゃないのだからそれだけで食っていく訳に行きませんよね。

 確かに毎年税を徴収する現場としては毎年発生する年金が相続であったのかなかったのかに遡るのは面倒という気はします。
 判例のケースでは10年と決まっているけれど受取人が生存する限り続く商品だってありえます(年金という言葉のイメージはそうですよね)。
 すると贈与税を徴収するとき、将来受け取る額が確定できないから税額も確定できない。ならばその後は「別種の債権」扱いにして雑所得としてしまえ…だったかも(素人の想像ですけどそういう恣意は感じます)。

 全て手計算の時代ならとにかく、今は何もかも電子化した時代。運用益だけに課税するという判断は至極真っ当な判決であったと思います。
posted by 末期ぃ at 21:44 | 神奈川 ☁ | 雑記 | Comment(0) | TrackBack(0)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]※公開はしません

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック