12月1日からのスパム2法に改正施行に連動したと思われる、動きがありました。
当ブログで長いこと繰り返しご紹介した来たワンクリック詐欺スパムは、誘導URLにWebビーコンが付いていました。しかし先ほど届いたスパムはあっさりしたURLになりました。
2008年12月4日17時30分 詳細を追記しました!
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送信者: "田代柚子 " (xcfjudff@ginowanshakyo.or.jp)
件名 : 77歳エロジジイが12歳少女買春
日時 : 2008年12月4日 0:21
家族の一線を超えてしまう兄、息子達。欲望の渦へ。
ttp://ikisugite.com/
部屋、キッチンで繰り広げられる近親S○X、母や姉妹の乳首を強引に求め、しゃぶりむさぼる。
キッチン台で足を広げさせマ○コをじっくりとクンニしそして肉棒を突き刺す。
そして、気持ちよさにたまらず中へ射精してしまう!
マ○コからは白だ液があふれ出て流れる! ヤバすぎます!
ΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓΓ
どこでもいつでもブラウザ視聴化。
PC初心者でも簡単でセキュリティ万全。
2年間見放題。新作も随時追加!
行き着く末はここしかありえません。
http://ikisugite.com/
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直情的文面からワンクリック詐欺が疑われますね。実はこの文面は昨年7月に3通届いたもののデッドコピーです(このエントリの(77)参照)。
ただし初めに述べたとおり、このスパムの誘導URLには見慣れたWebビーコン(この場合ランダムな英数字が長々と付いていた)がありません。これはワンクリスパムなのか?だとしたら新たな手口なのか?
私は慎重にこのサイトを覗いてみますが、ここから先のサイトに、読者の皆さんが進むことは絶対お勧めしません。皆さんが詐欺師に脅されたりパソコンが不調になる恐れが大で、金額以上の被害に遭うからです。
では、真似をしないとの約束を確認して、ちょっとだけお伝えしましょう。
このスパムの誘導先は「アダルト動画倉庫!」というサイトです。(クリックすると別ウィンドウが開きます)

注意書きに『20歳未満の方及び会社(業務上)のパソコンでのご利用は固くお断りいたします。』とあるのは、親切で書いてある訳ではありません。
このページの「入室する」をクリックすると次へ進みます。なお「退室する」はyahoo!Japanにリンクされています(このサイトの以下のページの「いいえ」ボタンも同様)。

上の方に利用規約へのリンクがあります。これはちょっと読んでおきましょう。

以前のワンクリサイトよりは内容が進歩したようです。
第3条を見るとこれから何が起きるか書いてあります。
○トップページ(入口の次に見たページ)
↓
○認証ページ第1回目
↓
○認証ページ第2回目と順に「はい」ボタンをクリックしていくと「会員」となるのだそうです。
第7条(2)によると利用料は58,000円、第10条によると利用期間は90日だそうです。
あれ?スパムには2年間見放題ってあったよね?既に嘘を吐いてます。
とにかく(そんなノリじゃいけませんけど)先へ進んでみます。

ここで、年齢チェックと規約同意のチェックがあります。デフォルトでは両方とも「いいえ」に赤い枠がついており、「はい」をクリックするとそちらに赤枠が移ります。
2つの内ひとつでも「はい」にしないで「ダウンロードページ」に行こうとすると生意気にも警告ダイアログを出します。

先に進むとこのページが現われます。

ここが最終確認です。普通よく考えずにノリで「はい」をクリックしてしまうところですが、このクリックで「登録」となる瀬戸際です。思い留まりましょう。
「敵は煩悩時にあり」
ここも突破するとこんな画面が出てきます。

クリックしただけの客を疑ってかかって、不愉快です。
そして数秒後、こんなページが現われて遂に「登録」となってしまいます。

アクセスしてきた私のIPアドレスからWHOIS情報を引いて表示しております(一応ボカしましたが)。
以前のワンクリサイトですと、もっとおどろおどろしい色使いでしたし、「料金を払わないと女性の裸も露わな督促葉書を送る」などと脅していました。
それがなくなったのは、ツークリック詐欺で摘発された株式会社インセンスの裁判で、葉書の画像を示す行為が「恐喝」に当たると認定されたからだと思われます。
下らんところに気を回しやがって!
「個人情報としてIPアドレスを取った」と脅していますが、
>IPアドレスとはネットワークに接続されたコンピュータや通信機器1台1台に割り振られた認識番号です。
そんなことはありません。全世界のパソコン・サーバーや携帯電話機が全部IP番号持ってたら、とっくに足りなくなっています。
>お支払いの無い場合には、取得したIPアドレスを元に、ISPより、必要な個人情報を取得し、正式に催促することができます。
これも大嘘。ここは詐欺師の言う「登録」であり、債務が発生する「契約」を結んだ訳ではありません。
百歩譲って債務が発生したとしても、ISP(プロバイダ)は詐欺師の言い分のみで決して個人情報を開示はしません。
さらに「正式に催促」って言い草が、法律行為っぽくなくて甚だお粗末。
このページから「動画ダウンロードページへ」という判りにくいリンクがありますが、先ほどの規約第7条によるとexeファイルをダウンロードされて、
「端末に確認画面が一定期間、定期的に表示される」とのこと。
要は、ワンクリウェアをインストールされる※のであり、凄い嫌な脅し文句や振込口座がディスプレイに座敷童のごとく現われると思われます。
いくら私でもそんなパソコンを家族の目に入るところで使えませんので、この先は試みませんでした。ご了解下さい。
最初に20歳未満と会社のパソコンは登録不可、とあったのは親切ではなく「警告を無視して踏んだらこっそり処理するだろう」という読みと、逆に「契約不成立」を主張されるリスクが高いという二つの業者側の都合によるものと思われます。そこはかなり、したたかです。
従来のサイトと比べ、このサイトの手口の特色は、
○メールアドレスを取ることは諦めて、IPアドレスから個人を特定する、と脅すに専念したこと。
○督促メールを送るのではなく、ワンクリウェアを仕込むことによって、心理的にパソコンを使えなくする。
もし、本当にお金を払ってでもアダルト動画を見たくてここに踏み入ったひとは、先払いする術も無く脅されるんですからやっぱり騙しています。
もし奴らの言い値を支払ったところで、運営者は被害者のパソコンを特定していないのですから、「確認画面」を止めようがありません。
多分金は取られ損、サイトも数ヶ月でドロン、ワンクリウェアを仕込まれたパソコンが残るだけ、が関の山でしょう。
このサイト、『電子消費者契約法に基づいたサービス』と謳って、ご丁寧にも経済産業省サイトのPDFにリンクを張っていますが、そもそも商法や特定商取引法に背いていますから全く根拠がありません。
その根拠をひとつ挙げれば、このサービスはまともなら「通信販売」に当たりますが、その際掲げないとならない「特定商取引法に基づく表示」がありません。
また日本国内にサーバーを立ててアダルト動画を配信するのであれば、風適法の映像送信型性風俗特殊営業の開始届が出ていないとなりません(管轄署・受理番号も当然なし)。
いろいろ挙げていくとボロボロですが、脅しに驚いてこの業者のフリーダイアルに相談しようとしないで下さい。却って個人情報を取られるなど深みにはまると思われます。
恥ずかしがらずにまず家族そして、消費生活センター等や警察に相談しましょう。
しかし、そもそもトラブルに巻き込まれる前にこのようなスパムを相手にしない自衛策が肝要です。
どうか皆様、嫌な思いで年を越すことのありませんように。
(2008年12月5日11:20追記)
先ほど確かめたところ、このサイトは消滅した模様です。
が、この2年間150ほどのワンクリサイトを立てた奴らのことですから、また別のサイトを立ててやってくるでしょう。ご注意下さい。
(2008年12月11日追記)
昨日「スパムGメン-はるまき総研・迷惑メール研究室」さんが「アダルト動画倉庫!」の別URLへ誘導するスパムを紹介されておられます。

「No!ワンクリック詐欺」とは、ふざけています。
登録画面の次に進むとこんな更にこんな画面を見せられます。

※実のところ、ここで私はワンクリウェアは発見できませんでした。規約どおりの動作(exeファイルのダウンロード)をしてきません。
別の(ワンクリウェアを持つ)サイトの規約をパクって来ただけの虚仮脅しだろうという話もあります。
が、こうも嫌がらせ画面を見せ付けられれば、奴等の意図は明白でしょう。
脅しに乗ってお金を払わないで下さい!
とりあえず掲示板に書き込んでおきました。
http://www.higaitaisaku.com/
です。
補足いれました。浦野さんのところはワンクリウェアまでみれとはいっていないですが、或る場合ウェア有りと入れるとベターです。怖がってウェアまでは、見てませんと報告している人もいます。ie7で咳をしている内にフォントサイズが大きくなりました。なぜ?
higaitaisaku.com、参考になります。
「転ばぬ先の杖」という格言がネット被害を防ぐ心構えですね。
ワンクリウェアも試してみようかとも思いましたが、思いとどまっています。
リカバリディスクっていざというとき役に立たないのありますよね。
フォントサイズの件ですが、cssを読みそこなうと文字サイズがおかしいときがあります。
確かめようとも思ったのですが、サイトが消滅してしまったし…